日中明るい時に動画撮影していると光の量が多すぎて「露出オーバー」になってしまうことがよくあります。
絞りを絞るにしても限度があるし、シャッタースピードは動画なので1/60くらいに固定したいし、ISOも最低感度にしているにもかかわらず、それでも「露出オーバー」になってしまいます。
カメラは【光の量】が重要です!
夜の「暗すぎる」のも問題だし、昼の「明るすぎる」のもまた問題です^^
この”明るすぎる時”に役立つのが【NDフィルター】なのです。

昼間の動画撮影には絶対「NDフィルター」は必要なんです!

NDフィルターって何だニャ??
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NDフィルターとは?

NDフィルターについて解説
NDフィルター:(Neutral Density)フィルター
→発色に影響を与えることなく光量のみを減少させるもの
つまり日中の明るすぎる”光量を減らす”ためにレンズに装着するフィルターになります。レンズにとっての「サングラス」みたいなものです。
レンズに装着するのでNDフィルターにはサイズが様々あります。購入の際は手持ちのレンズのレンズ径に合ったサイズのNDフィルターを購入しましょう!
NDフィルターと光量/段数の関係
カメラ業界では、明るさ「光量」を単位化しています。
「光量」は「露出値」とも言いますが「段」という単位で表現しています。
●光量が2倍になると→「1段分明るくなる」と言う
●光量が4倍になると→「2段分明るくなる」と言う
●光量が1/8倍になると→「3段分暗くなる」と言う
*光量と段数の早見表はこちら↓
光量と段数の見方 | |||||||||
光量 | 1/16倍 | 1/8倍 | 1/4倍 | 1/2倍 | 0 | 2倍 | 4倍 | 8倍 | 16倍 |
段数 | −4段 | −3段 | −2段 | −1段 | 基準 | +1段 | +2段 | +3段 | +4段 |
当然、段数がプラスになると明るくなり、マイナスになると暗くなります。
NDフィルターには濃度でクラス分けされていて「ND2,ND4,ND8,ND16」とあり、それぞれ光量を「1/2,1/4,1/8,1/16」に減少させることができます。
例えば、基準(0)よりも8倍明るい(+3段)時はND8を付けて光量を1/8倍(−3段)にします。これがNDフィルターの基本的な使い方です。
ちなみにND2とND8をくっつけてND16として使うこともできます!

可変NDフィルターについて解説
NDフィルターには「一般NDフィルター」と「可変NDフィルター」の2種類あります。
上述した濃度によって「ND2,ND4,ND8,ND16」と個別に売られてるのが一般NDフィルターで、可変NDフィルターは「1枚で濃度を自在に変化できる」ものです。
可変NDフィルターは非常に便利ですが一般よりも高額になります。
可変NDフィルターにもサイズがあります。購入の際はレンズ径に合ったサイズのものを購入しましょう!
*可変NDフィルターとはこんな感じ↓
NDフィルターの使い方
NDフィルターの使い方を映像で解説
それでは実際にNDフィルターを使っていきましょう。
「窓際にグラス」という被写体があります。
日中の光が差し込んで明るすぎますね^^
①設定は(F4.0 SS1/60 ISO200)で露出は+2.0
カメラの設定はこれで行きたいんですが、やはり露出オーバーになってしまいました。
露出+2.0…これを露出±0に持っていきたいんです。
②ここでNDフィルターの登場です。
今回用意したのは「ND8」。つまり光量を「1/8倍に暗くできる」NDフィルターです。
段数でいうと「3段分暗くできる」ということです!
③ND8を付けました。
カメラの設定は変わらず( F4.0 SS1/60 ISO200 )で露出は±0(適正露出)になりました。
光量を3段分暗くすることで露出が+2.0から±0に下がりました。

光量と段数をカメラ設定で調整する
光量(段数)はカメラの設定によって自由に調整させることができる。
カメラの設定(絞り/SS/ISO)で光量(段数)がどう変わるか?見ていきましょう。
NDフィルターで光量/段数を調整する
光量と段数の見方 | |||||||||
光量 | 1/16倍 | 1/8倍 | 1/4倍 | 1/2倍 | 0 | 2倍 | 4倍 | 8倍 | 16倍 |
段数 | −4段 | −3段 | −2段 | −1段 | 基準 | +1段 | +2段 | +3段 | +4段 |
光量が2倍になると、1段分明るいということになる。
ND8を使って光量を1/8倍にすると、3段分暗くなる。
ND8とND2を使って光量を1/16倍にすると、4段分暗くなる。
絞り(F値)で光量/段数を調整する
絞り(F値)と段数の見方 | |||||||||
F値 | 16 | 11 | 8 | 5.6 | 4 | 2.8 | 2 | 1.4 | 1 |
段数 | −4段 | −3段 | −2段 | −1段 | 基準 | +1段 | +2段 | +3段 | +4段 |
絞り | ←絞る | 開放→ |
例えばF4.0を基準にした場合、1段分明るくしたければF2.8にする。
例えばF4.0を基準にした場合、F11にすると3段分暗くなる。
SS(シャッタースピード)で光量/段数を調整する
SS(シャッタースピード)と段数の見方 | |||||||||
SS | 1/1000 | 1/500 | 1/250 | 1/125 | 1/60 | 1/30 | 1/15 | 1/8 | 1/4 |
段数 | −4段 | −3段 | −2段 | −1段 | 基準 | +1段 | +2段 | +3段 | +4段 |
速さ | ←速い | 遅い→ |
例えばSS1/60を基準にした場合、1段分明るくしたければSS1/30にする。
例えばSS1/60を基準にした場合、 SS1/500にすると3段分暗くなる。
ISO(感度)で光量/段数を調整する
ISO(感度)と段数の見方 | |||||||||
ISO | 50 | 100 | 200 | 400 | 800 | 1600 | 3200 | 6400 | 12800 |
段数 | −4段 | −3段 | −2段 | −1段 | 基準 | +1段 | +2段 | +3段 | +4段 |
感度 | ←下げる | 上げる→ |
例えばISO800を基準にした場合、1段分明るくしたければISO1600にする。
例えばISO800を基準にした場合、 ISO100にすると3段分暗くなる。
F値/SS/ISOで光量/段数を調整する
それではカメラの設定(F値/SS/ISO)で段数を変化させましょう!
「F4.0 SS1/60 ISO200」で適正露出の時
「F2.8 SS1/30 ISO200」にすると。。。
光量は4倍になり2段分露出オーバーになる。
「F8.0 SS1/60 ISO1600」にすると。。。
F値は2段暗くなり、ISOは3段明るくなるから
光量は2倍になり1段分露出オーバーになる。
*ここでND2のNDフィルターを使うと。。。
光量は1/2倍になり、適正露出となる!
動画撮影で光量/段数を調整する流れ

以上「光量/段数」と「F値/SS/ISO」の関係性と「NDフィルター」の使い方について解説してきました。
実際の動画撮影では基本的にSS(シャッタースピード)は1/60なです。なので光量/段数の調整は「F値」と「ISO感度」での調整となります。
ISO感度は最後の最後に調整するものなので、まずはF値での調整となります。「ぼかしたい時」はF値は開放に「パンフォーカスの時」はF値は絞ります。
その時に「露出オーバー」になるならNDフィルターを使うし「露出アンダー」になるならISO感度を上げていきます。
実際の動画撮影ではこういう流れになると思います^^

今回は一眼カメラのお勉強でしたね!「段数の早見表」はなんとなく頭に入れておきましょう!

太郎さん。。。むずかしいニャ^^
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