「露出補正」して写真や動画のイメージを”思いのままに”コントロールすることがあります。
●プラス補正して、あえて「露出オーバー」で撮ったり
●マイナス補正して、あえて「露出アンダー」で撮ったり
撮影者は思い通りに”明るさ”をコントロールします。
今回は「ハイキー」と「ローキー」についてお話していきます。

ハイキーとローキーで撮ると「芸術的な表現」や「ファンタジーな表現」ができるんだよ!

「ハイキー」と「ローキー」ってそもそも何なの?…
*「プラス補正/露出オーバー」についての記事はこちら↓
*「マイナス補正/露出アンダー」についての記事はこちら↓
*最高のマイクロフォーサーズ用ミラーレス一眼はこちら↓
*Amazonリンクが使えない場合はこちら↓
ハイキーとローキーの撮り方と意味を解説
適正露出(±0)から、あえてプラス補正して”明るく”撮ることを「露出オーバー」。あえてマイナス補正して”暗く”撮ることを「露出アンダー」といいます。
とりわけ”極端な”露出オーバーを「ハイキー」、露出アンダーを「ローキー」と言います。
●ハイキーは2~3段分プラス補正したもの
●ローキーは2~3段分マイナス補正したもの
2~3段分の露出補正は想像以上に「明るさ」が変わります。
*光量と段数の早見表はこちら↓
光量と段数の見方 | |||||||||
光量 | 1/16倍 | 1/8倍 | 1/4倍 | 1/2倍 | 0 | 2倍 | 4倍 | 8倍 | 16倍 |
段数 | −4段 | −3段 | −2段 | −1段 | 基準 | +1段 | +2段 | +3段 | +4段 |
ハイキーの撮り方と効果について解説
適正露出から2~3段分「明るく」撮ったハイキー動画の一コマを紹介しながら解説していきます。

①大阪城の梅林をハイキーで動画撮影
日中、曇天に白い梅の花は露出補正が難しく、背景の空と白梅が”同化”し白く飛んでしまいます。かなりマイナス補正しないと白梅の輪郭が出てこないんですが、今回はマイナス補正せずにギリギリ輪郭が見えるところで撮りました。
結果としてハイキーでの動画撮影となり「やわらかさ」のある白梅になりました。白い花びらが黒くなることなく、白梅の美しさは保てていると思います。

②大阪城の梅林をハイキーで動画撮影
これも白梅の動画撮影時のものなんですが、これも2~3段分明るい「ハイキー」での撮影になります。ここでマイナス補正すると背景が暗く沈んでしまうので、明るいまま撮りました。
印象としては「ファンタジー」な感じになってくれましたが、主題の白梅が少し”白飛び”しているのが気になりますが、ファンタジーな映像作品として仕上げるのにはギリギリセーフかなと思います。

③田んぼの側のススキを動画撮影
”半逆行”に照らされてキラキラ黄金色に輝くススキを動画撮影しました。幻想的に輝くススキの姿を強調したくて、あえて相当明るくハイキーで撮りました。
ススキは逆光や半逆行で撮ると美しく黄金色に輝きます。さらにハイキーで撮ることで時が止まったような「幻想的なイメージ」になりました。WBで少し暖かい色味に仕上げています。

④アジサイ園の白アジサイを動画撮影
白アジサイを魅力的に撮りたくて前ボケで動画撮影しました。緑の葉っぱと白いアジサイの前ボケによって幻想的に撮れたのと同時に、ハイキーにすることによってより「ふんわりした」イメージにもなりました。
「前ボケ+ハイキー⇒ふんわり幻想的なイメージ」は鉄板の撮り方なので覚えておくと便利ですよ!被写体は花/植物や女性/子供のポートレートに向いています。

⑤アジサイの接写で動画撮影
こちらもアジサイですが、今回は接写による動画撮影。”接写”による「インパクト」とハイキーによる「幻想的なイメージ」が相まっていい感じに仕上がっていると思います。
「接写+ハイキー⇒ふんわり幻想的なイメージ」これもまた鉄板の方程式です。対象となる被写体は花/植物や女性/子供のポートレートになります。とくにアジサイの接写+ハイキーは鉄板ですね!
ローキーの撮り方と効果について解説
適正露出から2~3段分「暗く」撮ったローキー動画の一コマを紹介しながら解説していきます。

①天野山金剛寺で桜の花びらを動画撮影
桜も終わる時期を狙って天野山金剛寺に動画撮影に行ってきました。擬宝珠(ぎぼし)に張り付いた桜の花びら。「終わりゆく桜の哀愁…」をイメージしたくて2~3段分暗くして「ローキー」で撮りました。
小雨も降っていてただでさえ暗い環境、さらにマイナス補正して撮影し「哀愁」や「終焉」「静寂」などを印象付ける一コマになったと思います。

②天野山金剛寺で観音菩薩を動画撮影
こちらも天野山金剛寺。入り口付近の観音菩薩です。同じく小雨の中、暗い環境下での撮影となりました。桜の終焉と哀愁をイメージした映像作品のための動画素材なので、やはりローキーで撮りました。
こういった観音菩薩像などの歴史観のある銅像は、基本的に露出アンダーで/ローキーで撮ると「荘厳なイメージ」や「趣のあるイメージ」が付きやすいのでおすすめです。

③日陰っている雑木林の彼岸花を動画撮影
秋は下赤阪の棚田、その雑木林の中に”群生している彼岸花”を見つけました。暗く日陰っている中に「太陽光の差している一輪の彼岸花」があります。それを主題にするため露出をマイナスに振っていきました。
元々明るく輝いていた彼岸花が適正露出になるようマイナス補正し、結果かなりのマイナス補正によりローキーになりました。スポットライトを浴びたような彼岸花。”妖艶な赤”も色濃く出て素敵な一コマになりました。

④京都の庭園で青モミジを動画撮影
京都の庭園、こちらも日陰っている中に太陽光の差し込んだ部分があります。暗い青モミジと明るい青モミジが「光と陰」のように対象的で非常にインパクトのある画になっています。
そもそも露出アンダーの環境だったので、ほぼ設定はいじらずに「ローキー」のまま動画撮影しました。「光と陰の対比」はどこかドラマチックですよね!

⑤京都の貴船神社の手水舎を動画撮影
夕方も過ぎ暗くなってきた時間帯で貴船神社に到着。手水舎を動画撮影したのですが若干の露出アンダーです。中途半端だったので、さらにマイナス補正して「ローキー」で撮りました。
京都の神社仏閣では”露出アンダー/ローキー”で撮ることによって「荘厳」や「静寂」や「おちつき」を印象付けることができます。
*京都/露出アンダーについてはこちらの記事もご覧ください↓
ハイキーとローキーの撮り方と効果まとめ
以上、「ハイキー」と「ローキー」について解説してきました。
ハイキーの注意点は「白飛び」。ローキーの注意点は「黒つぶれ」です。
●白飛び:明るすぎて諧調の情報が得られず白一色に塗りつぶされた状態になること
●黒つぶれ:暗すぎて諧調の情報が得られず黒一色に塗りつぶされた状態になること
主題ではない部分が「白飛び」「黒つぶれ」なら演出として構わないんですが、主題が「白飛び」「黒つぶれ」しないように露出補正しましょう!
それでは最後にまとめていきましょう。

動画撮影において「ハイキー」や「ローキー」で撮ると印象的な”インパクト”のある映像になるんだね!

写真や動画を撮るときは”意図をもって”撮影に臨むことが大事なんだニャ♬
●適正露出から2~3段分明るいことをハイキー
●適正露出から2~3段分暗いことをローキー
●ハイキーで「やわらか」「ふんわり」な印象
●ハイキーで「芸術的」「ファンタジー」な演出
●ハイキーは「花/女性/子供」に向いている
●ローキーで「哀愁」「荘厳」な印象
●ローキーで「静寂」「趣き」を演出
●ローキーは「京都/寺社仏閣」に向いている
●「白飛び」「黒つぶれ」に注意が必要
*カメラの基本「露出」に関する記事はこちら↓
*最高のマイクロフォーサーズ用ミラーレス一眼はこちら↓
*Amazonリンクが使えない場合はこちら↓
コメント