ミラーレス一眼を購入すると、まず試したくなるのが「ボケ撮影」ですよね。
「ただぼかす」のではなく「どれくらいぼかす」のかをシビアに詰めていくと
ワンランク上の写真や映像が撮れます。
まもなく紅葉の季節。写欲がふつふつと湧いてくる季節です!
ワンランク上の写真や映像をたくさん撮っていきましょう。
今日は被写界深度をコントロールして「見せたいもの」を見せるというお題で
お話していきましょう。

カメラの基本ですが「絞り/値」を調整すると「ボケ具合」もコントロールできるんです。

ボケ具合をコントロールできるの。。。?
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カメラの基本「絞り」と「ボケ」を解説

「絞り」とは露出を決める要素の一つ
「絞り」はレンズを通る”光の量”を調整する機構のことで、
カメラの露出(光の量)を決める3つの要素「絞り/値」「シャッタースピード」「ISO感度」のうちの一つです。
あともう一つ…
「絞り」を調整することで”ピントの合う範囲(被写界深度)”もコントロールすることができるんです。
要するに「絞り」で「ボケ具合」をコントロールできるんです。
*「絞り/値」は「F値」で表示され数値化されています。(F2.8とかF4.0とか…)
*「絞り」についての詳しい記事はこちら↓
「絞り」と「ボケ具合」の関係性を解説
上述しましたが「絞り」と「ボケ」は切っても切れない仲です。
その関係性はこんな感じです。
●絞りを開ける=F値を小さくする→被写界深度が狭くなる=被写体以外が大きくボケる
●絞りをしぼる=F値を大きくする→被写界深度が深くなる=被写体以外があまりボケない
簡単に覚えると…
●絞りを開ける→大きくボケる
●絞りをしぼる→あまりボケない
となります!
*「絞り」と「被写界深度」の関係性の記事はこちら↓
シーンに合わせて「ボケ具合」を調整
上述した「絞り」と「ボケ具合」の関係性を利用して写真や映像の撮影をしていきます。
それでは具体的に見ていきましょう!
「絞り」を開けて「ボケ撮影」をする
例えば、一つの主題(被写体)にだけピントを合わせて、
その前後を大きくぼかしたい時は「絞り」をできるだけ開けて(F値を小さくして)撮ります。

*鹿の背景が大きくボケています。
露出は被写体に合わせているので背景はハイキー(露出オーバー)となりましたが、
問題はありません。
「見せたいもの」は背景の景色ではなく「小鹿のかわいらしい表情」なのです。
「絞り」を絞って「パンフォーカス撮影」をする
逆に手前から奥の景色まで(近景から遠景まで)すべてにピントを合わせたい時は
「絞り」をできるだけ絞って(F値を大きくして)撮ります。

*全体にピントが当たっています。
「見せたいもの」は手前の景色から奥の山々(伊吹山)まですべてなのです。
見せたいもの見せるために「絞り」を調整して撮るのです。
パンフォーカス撮影ではF値をF8.0~F16くらいにしましょう!
「絞り」を微調整し「ボケ具合」をコントロール
こちらの写真は「写生している人物」を主題の被写体にして「奥の景色」を副題にしています。

*手前の写生している人物だけにピントが合い、奥の景色は少しボケています。
主題が”ガチピン”なのはいいとして、奥の景色も”ある程度見せる”ことで”奥行き感”のある写真に
仕上がりました。F4.0~F6.3くらいでしょうか。。。
こういう感じで「どんな写真/映像を撮りたいのか」や「何を見せたいのか」を考えて、
シーンに合わせて「ボケ具合」をコントロールすることが大事なんです。
「絞り」を微調整してF4.0ではどれくらいボケるのか、F6.3ならどこまでボケるのかを、
確かめながら自分の思い通りの「ボケ具合」を決めていきます。
「絞り」を開けると被写界深度が狭くなる
最後にこちらの写真を見ていきましょう。
ガクアジサイを接写で撮った”ふんわり”ぼけた写真になります。
メインの被写体の前後を大きくぼかしたかったので絞り開放(最大限に開けた状態)で撮りました。

*小さな「おしべ」にピントが合って、あとは大きくボケています。
お花を接写で絞り開放で撮ることで前後が大きくボケて”幻想的”に仕上がりました。
ここで注意しなければならないのは絞りを極端に開けて被写界深度を狭くすると、
当然ピントの合う範囲も極端に狭くなります。
きちんと目的の被写体(見せたいもの)にピントが来るように拡大表示やピーキング機能を
使ってピント位置を微調整しましょう。
できれば最後はじっくりMF(マニュアルフォーカス)で合わせることをお勧めします!
「絞り」でボケ具合をコントロールまとめ
以上、「絞り」を調整し「ボケ具合」をコントロールすることで
この写真や映像で「見せたいもの」を見せることができる。というお話をしてきました。
【見せたいもの=写したいもの】であり、そのために背景ボケなどの【ボケ具合】が大事になってくるんです。
それでは最後にまとめておきましょう。

この「ボケ具合」をコントロールできるようになると写真や動画撮影がますます楽しくなるよね♬

ただ「ぼかせばいい」「ボケればいい」ではダメなんだね!
●「絞り」で光の量(明るさ)を調整できる
●「絞り」でピントの範囲(被写界深度)を調整できる
●「絞り」は「F値」で表示され数値化される
●「絞り」を開ける→被写界深度が狭くなる
●「絞り」を絞る→被写界深度が広くなる
●「絞り」を最大限に開けることを「開放」という
●「見せたいもの」を意識して「絞り」を扱う
●シーンに合わせてボケ具合を調整する
●絞りすぎるとピント合わせが難しくなる
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